こんにちは。ぎぶさん(@give333)です。
排気量も車体も大きく車重も重いイメージのトヨタのクラウン、当然燃費もそれなりだろう、と考えていらっしゃる方も多いでしょう。
20年程前のモデルではリッターあたりの走行距離が10kmを切ることもありました。
一見、悪いイメージもありますが現在はどうなっているでしょうか?
本記事では新型クラウンの燃費をWLTCモード、実燃費、ライバル車の比較を通じて、くわしくご紹介しています。
目次
新型クラウンの燃費は決して悪くない
(出典:http://toyota.jp/)
新型クラウンの燃費カタログスペック(WLTCモード)は以下のようになっています。
WLTCモードとは、2018年から採用された新しい燃費測定方法であり、実燃費近い燃費となっています。基本はこちらの数値を押さえておくとよいでしょう。
以下では、エンジン別の燃費をご紹介しています。
3500ccハイブリッド (平均燃費:15.7km/L)
- WLTCモード:16.0km/L
- 市街地モード:12.7km/L
- 郊外モード:16.4km/L
- 高速道路モード:17.7km/L
2500ccハイブリッド 4輪駆動(平均燃費:17.9km/L)
- WLTCモード:18.2km/L
- 市街地モード:14.9km/L
- 郊外モード:19.2km/L
- 高速道路モード:19.4km/L
2500ccハイブリッド (平均燃費:19.7km/L)
- WLTCモード:20.0km/L
- 市街地モード:17.2km/L
- 郊外モード:20.8km/L
- 高速道路モード:20.9km/L
2000cc (平均燃費:12.2km/L)
- WLTCモード:12.4km/L
- 市街地モード:8.7km/L
- 郊外モード:12.6km/L
- 高速道路モード:15.1km/L
これらの数値は実燃費として考えると、決して悪くない水準です。
クラウンの大きさや重量を考慮すれば、むしろ優れた部類に入るといえるでしょう。
他車と比べて分かる新型クラウンの燃費の凄さ
クラウンの燃費は上記のようになっていますが、他車と比較してどうかというと、トヨタのセダンタイプではWLTCモードで測定している車がありません。
他社でWLTCモードで測定している車では、マツダ デミオが採用しています。
デミオ1500ccガソリン4輪駆動 (平均燃費:16.9km/L)
- WLTCモード 17.2km/L
- 市街地モード:14.2km/L
- 郊外モード:17.4km/L
- 高速道路モード:18.8km/L
最新の小型車にも負けない
ハッチバックコンパクトカーですので、クラウンの比較対象としては適していません。車両重量もデミオ1050kgに対して、3500ccクラウンでは1900kgもあります。
にもかかわらず新型クラウンのハイブリッド搭載モデルであれば、最新型の小型車であるデミオを上回る燃費もたたき出しています。
2500ccモデルについてはトヨタホームページでもクラストップレベルを謳っており、実際これは驚異的な数字です。
大きな車体や過去の記憶から、それほど燃費は良くないと思われがちなクラウンですが、実際は優れていることが分かっていただけたると思います。
なぜ新型クラウンは低燃費になったのか?
新型クラウンでは殆どのグレードにおいて、新型エンジンが採用された点に注目です。
これによって、大きく燃費が向上しました。
新型エンジンへの変更で燃費が向上
まず、2500ccハイブリッド車のエンジンは、先代で使用されていた「2AR-FSE型」から、新型カムリにも採用されている新型エンジン「A25A-FXS型」へと変更されています。
3500ccハイブリッド車のエンジンは、以前に使用されていた2GR-FSE型から8GR-FXSのエンジンに変更されました。より質の高い新型エンジンの採用で、燃費が向上しています。
さらに、トヨタブランドでは初となる MULTI STAGE HYBRID SYSTEMを採用。
高速走行時にもモーターが補助しエンジンの回転数を低く抑えます。その結果、低燃費かつエンジン音の低い静かな走りを実現しているのです。
また、2500ccハイブリッドシステムは、以前のモデルに比較して小型、軽量、高効率化をはかることで、低燃費を可能にしました。
新型クラウンの実燃費は?オーナーの平均値
新型クラウンは、発売されてそれほど時間がたっていませんが、オーナー様による実燃費に関するデータも出てきています。
2500ccハイブリッドのケース
市街地燃費:16.9km/L
2500ccハイブリッドモデルで厳密な条件で測定している方がいらっしゃいましたが、結果としては、市街地:16.9km/Lとなっています。
WLTCモードで表示されているカタログ値が17.2km/Lであることを考えると大差なく、新型クラウンの燃費達成率が高いことが分かります。
また、先代クラウンハイブリッドの実燃費が15.1km/Lでしたので、先代のクラウンよりも燃費が向上していることも分かります。
郊外と高速はカタログ値を上回る
- 郊外:21.7km/L
- 高速:22.3km/L
なお、郊外:21.7km/Lでした。カタログ値が20.8km/Lですので、カタログ値をオーバーする素晴らしい数字です。高速:22.3km/Lです。カタログ値が20.9km/Lですので、こちらもカタログ値をオーバーしています。
クラウンハイブリッドの優れた燃費だけでなく、WLTCの測定方法が現実に沿った素晴らしい測定方法であるとよくわかります。
これに沿って考えると、カタログに記載されている新型クラウンの他のモデルの数字も信頼できる数字であると判断できます。
同じセダンタイプとの燃費の比較
トヨタの高級セダンとしてはセンチュリーとカムリがありますが、最近モデルチェンジされて燃費性能が良くなっているカムリと比較してみます。
カムリは2500cc2輪駆動のハイブリッドモデルのみで、燃費カタログスペックがJC08モード測定で28.4km/Lとなっています。新型クラウンとはカタログ値だけでの比較はできませんので実燃費を調べてみました。
燃費はカムリの方が上回る
現行カムリハイブリッドの実燃費、市街地は23.4km/Lでした。郊外は23.3km/L、高速は24.1km/Lとなっており、クラウンより良い数字が出ています。
同じ2500ccハイブリッドで比較すると、カムリの車重が1875kgに対して新型クラウンが2045kgとなっており、ここが燃費に差が出た理由でしょう。
重ければ重いほど燃料を消費することになり、170kgの差があるとさすがに燃費は悪化します。新型クラウンは安全装備がかなり充実しているので、ある程度しょうがない部分もあるのではないでしょうか。
新型クラウンの燃費は高く評価ができる
カタログスペックや実燃費から見ると、新型クラウンハイブリッドモデルについては燃費は良い部類に入ります。
先代に比べて大きく燃費が伸びている点はぜひ注目して頂きたいポイントです。
2500ccハイブリッドモデルについてはトヨタでもクラストップレベルを自負するだけあり、驚異的な数字を出しています。3500ccモデルも、2トン近い車重を考えると良好です。
他と比べて突出するほどではないものの、燃費には満足できる水準になるでしょう。
新型クラウンは普段使いにも最適
新型クラウンは先代より価格が上がりましたが、燃費は明らかに向上しており、価格に見合う内容になっています。
諸々の装備の結果、車重が重くなる傾向があるクラウンですので、ある程度燃費が悪くなるのはしょうがない部分はあります。しかしハイブリッドシステムの力を借りることで普段使いにも使える車になっているのです。