ホンダの中国合弁会社である広汽本田汽車が2023年6月20日に、新型のオデッセイを中国で発表しました。
オデッセイは、2021年12月に日本での生産が終了したばかりでしたが、ホンダは日本国内での復活を宣言し、2023年9月から先行予約が開始されました。
本モデルは中国で生産されたものが、日本に導入される形となります。
このページではそんな、新型オデッセイのデザインやスペック、価格を解説します。
※本記事の内容は予想も含まれます。正確性を保証するものではないことはご了承ください。
ホンダ新型オデッセイのデザインと内装
復活したオデッセイについて、従来モデルからの追加・変更点は以下のとおりです。
- ブラックを基調とした新フロントグリルを採用
- 従来デザインを踏襲しつつ重厚感が増す
- シーケンシャルターンランプを新搭載
- 内装は高級ミニバンにふさわしい仕様に
- インテリアは本革シートを標準装備
- 新グレード「ブラックエディション」を追加
エクステリアは重厚感が増す
復活したオデッセイのエクステリアには、最新のデザイン要素を取り入れ、力強さとスタイルを兼ね備えた形状に仕立てられています。
全体のデザインは、前モデルの洗練さを保ちつつも重厚感が増しているのが特徴。
特にフロントフェイスは、ブラック基調のフロントグリルを新採用し、デザイン性が向上しています。
フロントに対応してリア部分もブラック調のテールランプとガーニッシュで装飾され、上質感と安定感を強調しています。
前後のライトは、レクサス等に用いられる「シーケンシャルターンランプ」を新採用し、流れるウインカーの効果を生み出します。
従来のデザインを踏襲しつつ、より力強く高級感ある外観に仕上げられました。
内装は豪華で機能的なつくりに進化
内装に関しては、材料とデザインの精巧な見直しにより、高級ミニバンらしい洗練された質感が生み出されています。
本革シートの標準装備に加え、つや消し木目調のパネル、ピアノブラックのステアリングホイールなど、随所に高品質な仕様が施されています。
利便性を高めるために、スマートなデザインのエレクトリックギアセレクターとワイヤレス充電器を新たに追加。
日本初となる車両に触れることなくパワースライドドアを開閉できる「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」も採用されました。
2列目のシートには、両側にアームレストが付いた4ウェイパワーシートとシートヒーター、そして2列目のシートの中央に折りたたみ可能なテーブルが新たに追加。
前モデルでは手動だった2列目シート操作は、スイッチ操作に進化しています。さらに2列目専用の急速充電付きUSBチャージャーも2個完備。
これらの機能と低床設計を組み合わせることで、一流のセダンクラスの優れた乗り心地を実現しています。
荷室の利便性と収納力も抜群
荷物室へのアクセスはハンズフリーテールゲートが提供する便利さで、足元のジェスチャーだけで開閉することが可能となります。
荷室空間も広く、二列と三列目を畳めば大容量の空間が生まれ、自転車を数台乗せることもできます。
レジャー、スポーツなどあらゆるシーンで荷物の積み下ろしで困ることはありません。
ホンダ新型オデッセイの注目スペック
スペック一覧
サイズ | 4,855(全長)×1,830(全幅)×1,695(全高) |
乗車人数 | 7人/8人乗り |
パワーシステム | SPORT HYBRID i-MMDデュアルモーターハイブリッド |
エンジンタイプ | 2.0LアトキンソンサイクルエンジンDOHCi-VTEC |
最大出力(kW / rpm) | 107kW / 6200rpm |
最大トルク(Nm / rpm) | 175Nm / 3500rpm |
システム最大出力(kW) | 158kW |
WLTCモード燃費(km/L) | 20.0km/L以上(予想値) |
優れた走行性と燃費を両立
新型オデッセイのパワートレインは、第3世代の「SPORT HYBRID i-MMDデュアルモーターハイブリッドパワーシステム」を導入。
これによって発進時の低速走行から高速走行まで、優れた走行性を実現します。
最大出力107 kW/6200rpm、最大トルクは175 Nm/3500回rpmと、燃費効率を配慮したつくりになっています。
実燃費は明らかにされていませんが、WLTCモードの燃費はおよそ20.0km/L程度の低燃費が予想されます。
新型オデッセイは走行性と燃費の両方をバランス良く備えていると言えます。
新機能が大幅追加
中国生産モデルの新型オデッセイは多くの新機能を備え、前モデルとの変更・追加点は主に以下のとおりです。
- 「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」搭載
- 11.4インチ大型インフォテインメントシステムの設定
- リモートコントロールモバイルAPPの設定
- 先進のHonda CONNECT 3.0を導入
- コネクテッドサービス「Honda Total Care プレミアム」対応
- ワイヤレス充電器の標準装備
- エレクトリックギアセレクターの標準装備
- 「Honda SENSING」のアップデート
- 近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビーム、急アクセル抑制機能を追加
さらに、中国の最新の排出ガス基準「国6b」を満たしているため、オデッセイは環境への配慮と高機能を両立した車両といえます。
ホンダ新型オデッセイの発売日と価格一覧
新型オデッセイは2023年9に先行予約が開始されました。正式発売は今冬が予定されています。
日本価格は以下のとおりとなっています。
仕様 | 新型価格 | 旧型価格 | |
e:HEV ABSOLUTE | 3列7人乗りシート 2WD | 4,800,400円 | 4,286,000円 |
e:HEV ABSOLUTE・EX | 3列7人乗りシート 2WD | 5,000,600円 | 4,580,000円 |
e:HEV ABSOLUTE・EX BLACK EDITION | 3列7人乗りシート 2WD | 5,164,500円 | - |
中国で販売されている新型オデッセイの価格は、ベースモデルの「锐・悦享版」が23万5800元(約448万円)から設定されています。
それらと比べると割安な価格設定ですが、前モデルと比べると値上げされています。
大きく値上げした印象を受けるかもしれませんが、新型オデッセイは内外装、走行性、機能性が大幅にアップしていることを踏まえると妥当な水準です。
オデッセイの生産終了と復活の経緯
オデッセイはかつて日本のミニバン市場をリードし、その革新的なデザインと実用性でミニバンブームを巻き起こしました。
しかし、競争相手の発展や市場の需要に適応できず、オデッセイの販売は一時減少し、そして、2021年末には、その製造拠点である狭山工場が閉鎖され、5代目オデッセイの生産は終了しました。
なお、前モデルの売上は決して悪い数字ではなく、生産終了の主な理由は工場閉鎖といえます。
その流れで、2023年にホンダは中国の増城工場で製造されたオデッセイを日本へ正式に輸出することを明言しました。
再び生産できる状況が整ったことで復活したと言うことができるでしょう。
日本版と中国版の違い
モデル | 日本版オデッセイ | 中国版オデッセイ |
全長 (mm) | 4,855 | 4,861 |
全幅 (mm) | 1,820 | 1,820 |
全高 (mm) | 1,695 | 1,712 |
日本版と中国版のオデッセイはほぼ同一にですが、若干の違いがあります。
まず、日本版の方が中国版よりもコンパクトな作りとなっています。
しかし、どちらも基本的に同じプラットフォームを使用し、これらの寸法の違いは各国の独自の規格や要求によるものといえます。
デザインに大きな違いはないですが、最高級モデルの中国版オデッセイはハニカムデザインのフロントグリルが特徴で、これが日本版との違いになります。
日本版と中国版に大きな違いはなく、これは、中国版オデッセイが、わずかな仕様調整や規制対応で日本に輸出できることを示しています。
復活版の新型オデッセイのまとめ
2023年復活のホンダ新型オデッセイについて全体をまとめると以下の通りです。
- 生産終了の主な理由は狭山工場の閉鎖
- 復活版は中国工場で生産される
- 新型はモデルチェンジの位置づけ
- 価格は400万円台後半から
- 従来デザインを踏襲し重厚感が増す
- 内装は高級ミニバンにふさわしい仕上り
- 高い走行性能と燃費を両立
- 新機能が大幅に追加される
復活した新型オデッセイはフルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジの位置づけとなりますが、大幅に進化したといえます。
中国からの逆輸入ということでさまざまな声がありますが、オデッセイの良さを引き継ぎつつ、高級感・機能性が増しているでしょう。
バージョンアップしたことや、原材料の高騰により価格帯は心配されますが、ライバル車と同等以下に収まれば、買いの一台といえることは間違いありません。