1996年にデビューした初代から数えて4代目となる新型マツダデミオ。
「クラスの概念を打ち破る」というコンセプトで2014年にモデルチェンジしてからも、欧州車のように常にアップデートが行われています。
そんな新型デミオ(MAZDA2)の中でも、本記事では特に注目度の高い内装を解説しました。
欠点らしい欠点は少なく、内装のレベルが高いですが、デメリットも含めてくわしくレビューしていきます。
目次
デミオ(MAZDA2)の運転席&インパネまわりをチェック!
デミオの内装を一言で表現すれば、「ハイクオリティ・ハイセンス」となります。
この点は明確なストロングポイントです。
特に運転席&インパネまわりはデザインと機能性のバランスに優れ、国産コンパクトカーの中では飛び抜けた水準です。
インテリアの質感が高い
(出典:https://www.netcarshow.com/)
シンプルな直線基調のデザインながら、メタル調やレザー風のマテリアルがあしらわれたインパネはコンパクトカーとは思えない高い質感があります。
コンパクトカーなので素材はさほど高級なものを使用しているわけではありませんが、表面加工の細かさや加飾の演出が◎
印象的なのはメッキ処理のリングで加飾された丸形のエアコン吹き出し口で、国産コンパクトカーでは見られないセンスです。
先代までのデミオの内装は、よく言えばカジュアル、悪くいえばチープな印象がありましたが、新型ではよい意味で裏切られます。
ステアリングホイールは操作性重視
現行のデミオの内装凄くない?シート等のステッチだったりエアコンの吹き出し口とか高級感が感じられる。ステアリングも握り心地良くてマツダの本気度が伺える車でした。(代車ですけど) pic.twitter.com/nmdNoZeFB9
— take (@ND5RC_808) March 5, 2019
ステアリングホイールは、スムーズに操作性できることを重視してどの位置で握っても太さの変わらないものを採用しています。
流行りのDシェイプに比べればオーソドックスですが、逆に走りに関するマツダのこだわりを感じさせるポイントです。
ナビゲーションも見やすい
今や必需品ともいえるナビですがディスプレイは、インパネに立ててレイアウトされています。
視線の移動量が少なく、運転中にも見やすいというメリットを優先して採用されました。
ディスプレイはセンターコンソールに設けられたコマンダーコントロールを用いてオーディオやエアコンなどの設定を行います。
デミオの運転席はコンパクトカーをは思えない質感。
運転者のことを考えた作りも良いです。
室内空間の居住性を徹底チェック
前席はワンクラス上のクオリティ
デミオは現行型にモデルチェンジした際、全幅は旧型同様の1695㎜に抑えましたが、全長は旧型よりも160㎜長くなりました。
ホイールベースもそれに合わせて80㎜拡大され2570㎜となりました。
一般に全長とホイールベースを拡大する場合は居住空間を広くすることを目的とすることが多いですが、デミオは延長分を前輪位置を前に出すことに使いました。
これによりコンパクトカーらしからぬ伸びやかなスタイリングを手に入れるとともに、運転席側の余裕が増えたこともドライバーにとって大きなメリットです。
ドライビングポジションの自由度が高い
全長の短いコンパクトカーで右ハンドルは、前輪のホイールハウスで足元が狭くなりがちです。
新型デミオは前輪位置を前に出したことにより、各ペダル位置を旧型よりも20㎜ほど右側に寄せています。
これによりデミオは自由度の高いドライビングポジションも手に入れています。
シートにもマツダのこだわり
前席についてはシートの構造をワンクラス上のアクセラ(MAZDA3)と共通化したことで、コンパクトカーらしからぬ余裕のあるサイズのものとなっています。
シートの座り心地は市街地だと固い
シートの座り心地ですが、決してふわふわと柔らかな印象はなく、市街地を走っているだけでは、「固い」と感じる方もいらっしゃるようです。
その一方で高速道路やワインディングロードでは、「コシがあってサポートも十分」という意見も多く、評価が分かれています。
オルガン式のアクセルペダルに注目
オルガン式アクセルペダルは、より微妙なアクセルコントロールが可能で長距離走行にも適しているとされています。
ポルシェやBMW、メルセデスベンツなどの欧州車に採用されていることからも、マツダの走りに関するこだわりが見て取れます。
旧型から進歩の感じられない後席
前席に比べて、どうしても見劣りしてしまうのが後席です。
ライバルとなるフィットやノートと比較すると、膝回りの空間には余裕がありません。
背が高いと頭上が窮屈に感じる恐れ
クーペのようなルーフラインは確かに流麗ですが、その分、後席の頭上空間は狭くなっていて、背の高い方だと少し窮屈に感じるかもしれません。
前席のシートバックをえぐったような形状にし、前席シート下にもつま先が入る空間を確保する工夫はされていて、スペースはコンパクトカーの標準レベルは確保しています。
乗降性もやや気を使う
サイドウインドウの形状に合わせるようにリアドアの開口部が低くなっていて、乗り降りの際の頭運びにはやや気を使います。
後席に人を乗せる機会が多い方は試乗し、前席だけではなく後席の使い勝手もチェックしおくことをおすすめします。
荷室を含めた全体の収納力をチェック
荷物の搭載はやや苦手科目
スタイリッシュなルーフデザインからわかるようにデミオは荷室の広さよりもデザインを優先したパッケージとなっています。
荷室の開口部は狭く、ハッチドアの位置もライバル各車と比べて高いため、大きな物や重い荷物をのせるのには向きません。
荷室の奥行きは680㎜と十分な広さを確保していて、画像のようにトランクケース2台がつめるほどになっています。
車中泊には向かない
後席は6対4の分割可倒式を採用していてカスタム可能ですが、シートを倒しても完全なフラットにはならず段差が残るので、車中泊に向いていません。
小物入れスペースも不足気味
荷室以外の小物入れのスペースですが、6か所に用意されています。
その内の2か所はサンバイザーのチケットホルダーと助手席シートバックポケットなので、実質的に3か所だけ。
また、それぞれの小物入れの容量自体も小さく、スマートフォンの置き場にも困るという意見も見受けられました。
グレードによる内装の違いをチェック
デミオにはコンパクトカーにありがちな内装の品質を落とした最廉価グレードは存在しません。
それぞれ、代表的なグレードによる内装の違いをみていきましょう。
15Sグレード
もっとも安価な15Sではメッキなどの加飾は少なくなりますが、シフトレバーにシフトブーツが標準装備されるなど他のコンパクトカーよりこだわりを感じさせます。
Touringグレード
Touringグレードを選ぶと黒基調でドット柄を採用したシートにスイッチパネルがピアノブラック仕上げになります。
ドアトリムにもステッチが施されるなど、一気に高級感が増します。
L Package
布シートではなくレザーシートが欲しいのであれば、L Packageを選ぶことになります。
この仕様ではブラックとホワイト(白)の2種類のレザーシートのパッケージから選ぶことができます。
ブラックレザーは本革に「グランリュクス」と呼ばれる高級な手触りのスエード調人工皮革を加えたシックな仕様です。さらに、インテリア全体を黒一色にするのではなく、深い赤をインパネやドアトリムに配し、大人の空間を演出。
一方、白い内装はドアのトリムまでホワイトと華やかなテイストです。
デミオ
言わずと知れた?自分の愛車。一応ディーゼルでマニュアルというのが密かなクルマヲタポイント。外装もまあまあだが白内装のセンスが素晴らしい。ギア比がスーパー高いので燃費が良く、意外と高速を飛ばすのが楽。幅狭で舗装されてればどこでも走れる。欠点は収納の気が効いてない事。 pic.twitter.com/HV4Z31Aykq— Polar (@senn_1498) May 16, 2019
デミオの内装はどのグレードも外れがありません。
マツダの白いレザーシートは評判が良く、個人的にもおすすめです。
デミオの便利な機能や装備はこれだ!
最後に、デミオだけの注目の機能を厳選してご紹介します!
未来感覚のアクティブ・ドライビング・ディスプレイ
一部グレードにはアクティブ・ドライビング・ディスプレイが標準装備されています。
デミオのエンジンを始動すると自動的に運転席の前に立ち上がる半透明のパネルで、いわゆるHUD(ヘッドアップディスプレイ)の一種です。
これまでのHUDと異なり、アクティブ・ドライビング・ディスプレイは一歩進んでナビのルート誘導やレーダークルーズコントロールの警告情報を映し出すことが可能。
これにより視線を移さなくても、必要最小限の情報を得られることでわき見を防止し、より安全に運転を楽しめます。
交通標識認識システムと連携!
さらに交通標識認識システム(TSR)と連携しているところもポイントです。
TSRとは、走行中に前方のカメラが認識した交通標識をディスプレイに映し出すとともに警告音で知らせるもので、ドライバーの「ミス」を防止するのに有効なシステムです。
マツダコネクトで最新の情報をアップデート
センターディスプレイとコマンダースイッチを使って、マツダが用意する「マツダコネクト」を利用することが可能です。
マツダコネクトは常に最新のナビを利用できるだけでなく、Bluetoothを利用したハンズフリー通話やメールやSNSの読み上げ機能などにも対応します。
寒い日でも安心なシートヒーターも完備
デミオでは一部グレードを除き運転席と助手席にシートヒーターを装備しています。
車内が寒い時でも、シートヒーターが座面と背もたれを速やかに温めるので真冬のおでかけでも安心でしょう。
また、細かいところですがヒーターのダクトが後席にも装備され、足元に温風を直接送ることができるのも地味ですが、気の利いた装備となっています。
新型デミオ(MAZDA2)の内装まとめ
新型デミオ(MAZDA2)の内装についてまとめると、
- 運転席とインパネの評価:94点
- 居住性の評価:86点
- 荷室の評価:75点
- L Packageは白い内装が選べる。
- 標準装備が充実。
コンパクトカーとは思えない内装の質感は強力なストロングポイント。
ドライバー目線で設計された運転しやすいインテリアもデミオの強みです。
室内空間や荷室はデメリットがあるものの、高級感のあるこだわりの作りは、それを補ってあまるのメリットが感じられます。
楽しくカッコよく車を走らせたい方には、イチオシの車種と言えるでしょう。