大人のスポーツカーとして高い人気を誇るスイフトスポーツは、待望の4代目が登場し、安定の売れ行きを見せています。
車体価格が、スポーツカーとしては低価格の200万円前後と、購入しやすい価格に設定してあるスイフトスポーツ。
しかし、自動車は購入する金額よりも、購入した後の維持費が問題です。
今回はスイフトスポーツの燃費についてあらゆる角度から検証していきます。
一般的に燃費が悪いと誤解されがちなため、その点も補足しました。
目次
スイフトスポーツの燃費は悪いのか?
スイフトスポーツの燃費は悪い、という声も聞きますが、実際にはどうなのでしょうか?
カタログ燃費
- AT仕様:16.2km/L
- MT仕様:16.4km/L
近年続々と登場しているエコカー等と比べると、確かにスイフトスポーツの燃費は、データ上は大きく下がります。しかし、そもそもスイフトスポーツに、エコカーと同等の燃費性能を求めることはナンセンスといえるでしょう。
スポーツタイプとしては合格点
スイフトスポーツは、手軽に本格的な走りを体験したい人向けに設計されています。
ターボエンジンを搭載した、トルクの非常に強いスポーツカーがこのスイフトスポーツです。
それでいて、これほどの燃費性能を叩き出しているのです。燃費の部分に関しては十分に合格点といえるでしょう。
スイフトスポーツのカタログ燃費と実燃費の違い
先に記した燃費は、いわゆるカタログ燃費であり、実燃費ではありません。
実燃費の場合、信号待ちや渋滞、悪路走行といった悪条件も考慮しなければなりませんので、条件次第では、実燃費はカタログ燃費を大きく下回ります。
スイフトスポーツの実燃費は、いったいどの程度のものなのか? 口コミを参考にしながら解説していきます。
実燃費と口コミ
実燃費:12~18km/L(平均)
「ガンガン踏んでいくと16km/L。
オートクルーズ使用で高速を長距離巡行すると20km/L。」「平均14km、町中でも12kmくらい。
ハイオクでも財布に優しい燃費性能です。」「メインが通勤です。~中略~
運転席のパネル表記では18km/L、ガソリンの満タン方式だと17km/Lぐらい。
ちょっと遠出をして、高速なしで18km/Lぐらいでした。
追い越しのためにベタ踏みはしますけど、基本ゆっくり運転なのでこのぐらい。」
(出典:https://minkara.carview.co.jp)
スイフトスポーツの実燃費の口コミを見ると、スイフトスポーツの実燃費は、カタログ燃費と大きな差がないことが分かります。
口コミでは幅はありますが、悪くはない数字です。
スイフトスポーツは重量が軽いのがポイント
カタログ燃費と同等か、条件によってはそれ以上の燃費性能を弾き出しているスイフトスポーツですが、その燃費性能の秘密の一つが、車体の軽量化にあります。
通常、軽自動車でも車体重量は1000kgを越すのが普通ですし、ミニバンやSUVなどに至っては2000kg前後と、自動車は重量物です。
しかし、スイフトスポーツはプラットフォーム構造や、部品の配置見直しをおこない、重量を極限まで下げることに成功。
車体重量は970kgという、極限ともいえる軽量化に成功しています。
ただし、軽量だからといって安全性能が失われたわけではありません。運転席の周りのボディー鋼板は、最新の鋼板である「超鋼張力鋼板」を使用。
万が一の場合でも、運転手や同乗者をしっかりと守る造りになっています。
スイフトスポーツとライバル車のガチンコ燃費対決!
スイフトスポーツを検討する人にとって一番気になる点は、ライバル車との比較です。
似た車との燃費の差を知ることで、スイスポの燃費が良いか悪いか?分かります。
今回は、スイフトスポーツの直接のライバル車を例にあげながら、スイフトスポーツの燃費性能に関して、踏み込んで検証していこうと思います。
フィットRSとの比較
まずはホンダの人気車種であるフィットRSとの比較です。
- スイフトスポーツ 16.2km/L~16.4km/L
- フィットRS 19.2km/L~21.0km/L
フィットの燃費は約19.2km/Lから21.0km/Lと、一見するとスイフトスポーツの燃費をはるかに上回る数値がでています。
これだけみると「スイフトスポーツはダメなのか?」という疑問も出てくるかもしれません。
しかし、この2車種の性能を深く見ていくと、意外な点で差が出ていることに気がつきます。
スイフトスポーツは「最高出力」と「トルク」でライバル車を大きく上回ります。
スイフトスポーツの最大トルクは「23.4kgm/2,500rpm」
そしてフィットRSの最大トルクは「15.8kgm/4,600rpm」
つまり、走りの性能面では、スイフトスポーツがフィットRSを大きく上回っており、それをベースに考えた場合、スイフトスポーツの燃費は、フィットRSに負けているとは言い難い結果となります。
ヴィッツGRスポーツとの比較
(出典:http://toyota.jp/)
トヨタヴィッツも、スイフトスポーツの強力なライバル車になります。ヴィッツには多くのタイプが存在しますが、直接的にスイフトスポーツのライバルとなるのは、ヴィッツGRスポーツで間違いないでしょう。
では、さっそくヴィッツGRスポーツの燃費とスイフトスポーツの燃費を比較してみましょう。
- スイフトスポーツ 16.2km/L~16.4km/L
- ヴィッツGRスポーツ 17.2km/L~19.6km/L
ここでもスイフトスポーツは完敗ですが、先のフィットRS同様、スポーツカーに重要なのは、走りの性能であり、その走りに見合った燃費を有しているかです。
ヴィッツGRスポーツの最大トルクは「14.1kgm/4400rpm」。
スイフトスポーツの最大トルクは「23.4kgm/2,500rpm」
これをみてもわかるように、走りの性能はスイフトスポーツの圧勝であり、この性能差で見た場合、実燃費に関してもそこまで大きな差はないといえるでしょう。
マツダロードスターとの比較
最後に比較するのが、スイフトスポーツの本命のライバル車といってもいい、マツダロードスターです。
ロードスターは、コンパクトなボディーに満足な走りの性能を備えた、世界で最も生産されたともいわれる人気スポーツカーです。
ロードスターの燃費は「17.2km/L~18.8km/L]と、これもまたスイフトスポーツの燃費を上回っていますが、最大トルク「15.5kgm/4,500rpm」と、スイフトスポーツと比較すると、見劣りする性能になっています。
スイフトスポーツは総合点で上回っている
データ上の燃費に関しては、ライバル車がスイフトスポーツを上回っていますが、スポーツカーに求められる一番の性能は走りです。
その走りの性能を加味したうえで判断した場合、スイフトスポーツの燃費は決して悪くはないということがわかると思います。
バランスのとれた手軽なスポーツカー。それがスイフトスポーツです。
新型スイフトスポーツの燃費は悪くない!
スイフトスポーツの燃費は一見悪いと思われがちですが、カタログ燃費と実燃費、そしてライバル車種との燃費の比較を通じて悪くないことが分かりました。
スイフトスポーツの燃費を考える場合、データ上の燃費だけを比較するのではなく、走りの性能も考慮することが大切です。
スイフトスポーツの燃費をよくする方法
スイフトスポーツをはじめとするスポーツカーは、本来であればあまり燃費を重要視するような自動車ではありません。
しかし、このご時世、娯楽だけで自動車を購入、保有するのはなかなか難しい時代です。
走りを楽しみながら、なおかつ燃費も抑えたい、と考えるのであれば、できるだけ燃費を抑える方法を考える必要があります。
ブレーキやアクセルを踏み過ぎると燃費は低下する
スイフトスポーツで市街地を走る場合、燃費を良くするためには、ブレーキ、アクセルを緩やかに優しく操作するという手法が一番です。
スイフトスポーツは、走りを目的に設計されています。そのため、信号や渋滞の多い都市部で運転するとなると、カタログ燃費を下回ることは避けられません。
できるだけ燃費を抑えたいのであれば、とにかく「踏み込み過ぎない」ことが重要です。
結論!スイフトスポーツは走りを楽しむ車として燃費も含め合格
スイフトスポーツは走りを楽しむ「オトナのスポーツカー」になります。
実燃費はカタログと大きく変わらない12~18km/Lとなっています。
高燃費ではありませんが、決して悪い燃費でもありません。
エコカーやハイブリッド車のような、経済的な部分に大きくフォーカスするのではなく、自動車本来の楽しみ方である「走る喜び」を味わえる自動車、それがスイフトスポーツです。
トータル性能でみていけば、スイフトスポーツの右に出る同タイプの自動車はなく、燃費を心配するレベルではないでしょう。
スイフトスポーツはまさに唯一無二のスポーツカーといっても過言ではありません。