2018年7月の発売以来、売れに売れている新型ジムニーですが、いったい何がそこまで人を惹きつけるのでしょうか?
アンケート結果によると、9割近くの人が、新型ジムニーを「かっこいい」と答えており、普段は車に興味がない人でも欲しいと声をあげています。
納車が半年〜1年以上となっても、購入希望者が後を絶たないという、新型ジムニー。
なぜかっこいいのか?その理由について考えてみました。
目次
新型ジムニーは四角いボディーがかっこいい
新型ジムニーをかっこいいと思う人にその理由を聞くと、圧倒的に多い意見が「見た目」です。
ジムニーを愛して止まない「ジムニスト」以外からも、ジムニーの見た目のかっこよさは圧倒的な支持を受けていました。いったいジムニーの見た目で、どこが一番かっこいいのかを確認したところ、共通した答えが返ってきました。
新型ジムニーの四角いボディーがかっこいい
一番はこれです。四角いボディー形状。一昔前はジムニーをはじめとする「クロスカントリー車」略して「クロカン」は、ボディー形状が四角い自動車ばかりでした。
しかし、時代の流れと共に「無骨」で「泥臭い」イメージのあるクロカンは「爽やか」で「おしゃれ」な街乗り仕様として生まれ変わり、そのボディー形状も丸みを帯びるようになっていきました。
ジムニーも例外ではなく、三代目ジムニーも、どちらかというと流線型ボディーを意識した外観です。
もちろん、それが悪いわけではありません。そのおかげで、ジムニーのイメージが一新されることになり、硬派すぎるクロカンから万能タイプの街乗り対応車のイメージを定着させ、若い女性からも多くの支持を取り付けることに成功しました。
原点回帰で時代に流されないカッコよさに
しかし、三代目ジムニーの登場から早20年。現在の世の中は、ただモノを作れば売れる時代ではありません。自動車も同じで、洗練された見た目というだけでは、車離れの激しいこの時代において、爆発的ヒットは難しいというのが現状です。
そこで「原点回帰」ともいうべきこの四角いボディー。
オジさんには「懐かしさ」若い人には「新鮮」且つ「レトロ」という一つのモノで多くの価値観を与えているのが、新型ジムニーのヒットの理由になります。
理屈抜きで、時代を超えてかっこいいのが、新型ジムニーの四角いボディーなのです。
新型ジムニーはラダーフレームがかっこいい!
少しマニアックな話ですが、ジムニーをかっこいいと思える人は、この話を知ると、もっと「ジムニーかっこいい」と思えるはずです。
どういった話かというと、ジムニーをはじめとする自動車には全て「フレーム」があります。人間でいうとフレームは骨です。このフレームという骨が、自動車では何よりも重要なのですが、ジムニーは初代から一貫して、このフレームに「ラダーフレーム」を採用してきました。
ラダーフレームとは?
ラダーフレームとは、ハシゴ(ラダー)型のフレームであり、シンプルな構造と堅牢性が評価されているフレームです。古くは馬車の時代より採用されているラダーフレームは、まさに自動車の歴史と共に歩んできた伝統といるでしょう。
ただ、問題点もあります。ラダーフレームは、現行自動車の主力フレームである「モノコックフレーム」に比べると、重量面や機能面では大きく劣るといわれており、現在、主要な車でこのラダーフレームを採用している車種はわずか数種類という状況です。
しかし、あえてジムニーはこのラダーフレームを採用し続けています。それはなぜでしょうか?
ラダーフレームはジムニーがジムニーであるために必要
ラダーフレームの一番の特徴は堅牢性。すなわち丈夫であることです。現在主力のモノコックフレームは、衝撃をフレームと車体で吸収する仕組みになっていますので、人間の乗るスペース以外は非常に柔らかく、衝撃ですぐに変形して走行不能になります。
しかし、ラダーフレームは衝撃に強く、どんなに車体がボロボロになろうとも、フレームさえ生きていれば、走り続けることが可能です。
初代ジムニーのDNAを引き継ぐ
つまり、どんな悪路も切り抜けられ、道なき道を傷つきながらも走破できる、世界最小のクロカン車という、初代ジムニーのDNAを確実に受け継いだ車の証として、ラダーフレームは絶対に必要なのです。
ラダーフレーム採用により「燃費が悪く」「乗り心地が悪い」というデメリットを抱えながらも「ジムニーがジムニーであるためにラダーフレームは必要である」という一貫性が、かっこよさに繋がっています。
新型ジムニーの絶妙な色がかっこいい
新型ジムニーのカラーラインナップは全13種類。このラインナップされているカラーのセンスがかなり絶妙で、ジムニーのかっこいい部分を完全に引き出しています。
まずは鉄板カラーである「ジャングルグリーン」
これぞクロカン車といった雰囲気を全面に押し出しています。このジャングルグリーンを纏ったジムニーで、森や山を駆けることを想像して、納車が待ちきれないという「ジムニスト」が現在大量に増殖中です。
また、高級感満点のブラックパールや、街乗り仕様ともいえるブルーメタリックなど、ユーザーの趣味や用途に合わせた、レトロ風から現代風の色を揃えてきている部分が、ジムニーのかっこよさを最大限に引き出しています。
→新型ジムニーの人気色ランキング!鉄板カラーはこれだ!
新型ジムニーは悪路で発揮する走りがかっこいい
早速の新型ジムニー トライアル競技の2本目の走り pic.twitter.com/qhGszZIdel
— coniglio_コニリオ (@flatoutconiglio) July 14, 2018
新型ジムニーはクロカン車である以上、その性能をいかんなく発揮できる場所は街ではありません。山中や岩場、傾斜が強く、普通の車ではまず走れない悪路にこそ、ジムニーの本領が発揮されます。
まず、そんなところには普通に行かない、という人も多いでしょう。実際のところ、日常的にそのような悪路を走行する人は少ないはずです。
しかし、そのような非現実的、非日常の世界でも活躍できるという、一種の余裕がジムニーのかっこいい部分でもあります。
万が一、災害に巻き込まれ、普段の道がまともに走れなくなっても、ジムニーであれば走ることが可能です。ジムニーは危機的状況になればなるほど、その力を発揮します。
まるで、秘密兵器のような存在。その余裕こそが、ジムニーをとてもかっこいいと思う理由の一つであることはいうまでもありません。
新型ジムニーはカスタムでカッコよさが広がる
ジムニーといえば、カスタムにも注目が集まる車種です。旧型ジムニーも、街中でカスタムしてあるタイプが走行していると、思わず目で追ってしまう人も多いはずです。
新型ジムニーに関していえば、カスタムを想定したデザインにはしていないようなのですが、カスタムは自由です。そしてカスタムされたジムニーはかっこいい。
ジムニーサバイブはカッコよさの限界を超えた
ジムニーサバイブかっこよすぎ
— トーリ (@typeLess) January 13, 2019
現在、公開されているジムニーのカスタムカーには、悪路走行をさらに快適にするために、カスタム装甲された「ジムニーサバイブ」や、ピックアップトラック仕様にカスタマイズされ、アメリカンな雰囲気とワイルド性を向上させた「シエラピックアップスタイル」が確認できます。
創造力とパーツだけで、どこまでもかっこいい車にもっていけるのが、ジムニーのな魅力です。
新型ジムニーは内装がかっこいい
ジムニーの内装は、伝統と最新技術を融合させた、洗練された内装になっています。ステアリングやパネルを水平ラインに配置した水平基調は先代同様。
四駆から二駆への切り替えはスイッチ式から旧来のレバー式に戻るなど、残すところは残し、戻すところは戻すなどといった細部へのこだわりも確認できます。
よい所は残しつつ、技術は進化
エアコンに関しては、グレードにもよりますが、オートスイッチが採用されるなど、受け入れるべき技術の進化はしっかりと取り込んでいる点も評価は高いです。
メータークラスターも立方体を採用。無骨なジムニーのイメージにマッチしており、シンプルで機能的なビジュアルは、純粋にかっこいいと思えるはずです。
ジムニーは時代に流されないからかっこいい
新型ジムニーがかっこいい理由。それは時代を置き去りにしているからです。
これは悪い意味ではなく、常に追い続けなければならない、流行や機能性などからは一歩ひいた状態で、唯我独尊を貫いている姿勢がかっこいいのです。
機能性だけの時計を求めれば、電池式時計やスマホで十分ですが、機械式時計を愛する人は、その手間や無骨さを好みます。
ボタンを押せば何度も撮り直しの効くデジカメやスマホではなく、あえて現像という作業やフィルムという消耗品を必要とするフィルムカメラを愛でる人たちがいます。
ノスタルジックという言葉だけでは片付けられない「不便」という美学。
新型ジムニーは、まさにその「不便」という美学を最大限に具現化した、もっとも「かっこいい」自動車といえるでしょう。